[光を放つムラ農村再生へ]カフェ経営「北比良グループ」滋賀・大津市/女性の力

滋賀県大津市のJR比良駅前に、週3回だけ店を開く農家カフェがある。
店裏に広がる田に植えた菜の花は、今が見ごろだ。
5分ほど歩くと、琵琶湖の西岸に出る。
地元産の米と野菜を使った料理を出すカフェは、
散策コースの終点で、週末は地域を訪れる人でにぎわう。
経営するのは「北比良グループ」。
30年も前から、地域で食育活動を続ける女性たちだ。

もとは共同炊事で、女性農家の労働を軽減するためにできたグループ。
機械化が進み、減反政策で野菜を作り始めた。
1979年から、学校給食へ野菜を提供したのが最初の活動だ。

「女性に新たな収入が生まれた。
自分名義の貯金通帳を持った時はうれしかった」と、
代表の澤春江さん(82)は振り返る。
80年代に入ると、みその加工・販売を開始。
小学生にみそ造りを教えるなど、早くから地産地消を地域に根付かせた。

日本農業新聞 07-04-16


食と農を結ぶ先駆的な役割を今も担えるのは、
後継者づくりに成功したからだ。
メンバー16人のうち、ほとんどがここ5年間に加わった。
「地域活動で出会う若い主婦らに、積極的に声を掛けた」と澤さんは話す。

新しいメンバーの発想は、活動の幅をさらに広げた。
みそだけでなく、さつまいもチップやゆずジャムなど、新商品を次々と打ち出した。
これらの加工品を販売する農家カフェ「ほっとすていしょん比良」を、
3年前にオープン。
ここで、野菜コロッケや米粉ピザなどの料理も出す。

カフェで出会いがあり、地域活動の輪が広がった」と、
グループの山川君江さん(54)は喜ぶ。
休耕田に住民らと菜の花を植え、花を自由に採れるようにした。
春には、菜の花畑でコンサートを開く。
消費者と農作業をした後に、その場で茶会を開く「畑でお茶しませんか」も好評だ。

「作業後のお茶は、農家にとって至福のひととき。
消費者にも味わってほしかった」と、山川さん。
山と湖に挟まれた棚田から見下ろす景観は、地域の財産だ。
「それを消費者と共有するのが、食農教育の原点」だという。
女性の感性で、地域資源を最大限に生かす。

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