近江茶生かした洋菓子「はなし、はずむ」

【学生が企業と開発】
【「色・香り良く出ている」】

 立命館大学びわこ・くさつキャンパスの学生と
県内企業の産学連携プロジェクトから生まれた洋菓子
「はなし、はずむ」が20日に発売される。
特産の近江茶を生かし、「母の笑顔」をイメージして
ぬくもりのある味を目指したという。

 同大学の起業研究団体「ベンチャービジネスコミュニティ」
(VBC、約40人)のメンバー3人と、
日本茶の千紀園(本社・草津市)、
洋菓子製造・販売のパレット(同・大津市)が約1年がかりで商品化した。

 VBCは00年の設立。
以前にも企業と共同で八ツ橋クランチを発売した実績があり、
注目した千紀園の大石直永さん(31)が
「滋賀のお茶をアピールできる新商品を開発したい」と声をかけた。
経済学部4年の岩永健一さん(21)ら3人が参加して
昨年2月に「滋賀県いいもの発信プロジェクト」としてスタートした。

 プロジェクトリーダーを務めた岩永さんは山口県出身。
「滋賀県にもいいものはあるのに、
まわりの学生もみんな帰省みやげは京都で買う。
滋賀から何かを発信したかった」。
お茶といえばほっとする飲み物、
ほっとするのは母親の笑顔……会議を重ねるうち、
そんな連想も働いて、
「滋賀の特産品で、ふるさとの母親の笑顔がこぼれるようなお菓子を」と、
イメージが固まった。

 学生たちは茶摘みを経験。
パレット社長の前田省三さん(50)から菓子製造の基本も学んだ。
25品目ほどの試作を重ねた末にできあがった「はなし、はずむ」は、
煎茶(せんちゃ)の粉末を練り込んだ生地の間に、
ホワイトチョコと抹茶のクリームをはさんだ焼き菓子。
もち粉も生地に加えて和風の食感を出したという。
煎茶は甲賀市土山町産で、県の環境こだわり農産物の認証を受けた近江茶を使った。
パッケージの題字やウサギのイラストもメンバーが手がけた。

 「お茶屋からみても色も香りも良く出ている」と大石さん。
前田さんは「菓子づくりのノウハウを知らない学生が試行錯誤を重ねる過程に、
プロも参考にできるヒントがあった。こちらの菓子づくりも変わる経験でした」
と話す。

 8個入りで1680円(税込み)。
6月までに2000箱を売る目標だ。
販売は、パレットの大津、京都市内の5店舗と、
千紀園の県内7店舗で。千紀園のインターネット店舗でも扱う。
問い合わせは、
パレット(077・522・1561)か、
千紀園(077・562・3423)へ。

朝日新聞 2007年04月20日

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